Looker 7:システムアクティビティダッシュボードが機能強化されました #looker
2020年01月末にリリースされた「Looker 7」。
そのバージョン「7.0」では、便利になった様々な新機能がリリースされています。
当エントリでは、その中から「システムアクティビティダッシュボードの機能強化」について、内容を紹介していきたいと思います。
目次
設定の有効化
この機能はLookerのインスタンスに関する使用状況やパフォーマンスの情報を、ダッシュボード形式で様々な視点、切り口で見ることが出来るようになるものです。管理者メニューの「Labs」にて、「System Activity Model」のチェックを有効にすることで利用可能となります。
なお、この機能については7.0→(現行最新の)7.4になるに従い、画面構成(画面一覧)の内容が若干変わっている模様です。当エントリでは最新バージョン:7.4の体裁で見ていきたいと思います。
また、この機能で表示されるダッシュボードの時間については「システムタイムゾーン」で表示されるとのこと。
利用出来るダッシュボード
利用出来るダッシュボードは以下の5種類。
- ユーザーの利用状況(User Activity)
ユーザーの利用状況(User Activity)
このダッシュボードでは、ユーザーとLookerインスタンスの使用状況に関する情報が表示されます。以下の要素を確認可能です。
- 総ユーザー数
- 管理者ロールまたは開発(develop)権限を有するユーザー数
- 探索(explore)またはコンテンツ保存(save_content)の権限を有するが、管理者ロールまたは開発(develop)権限を持っていないユーザー数
- データ参照(access_data)権限を持っているが、管理者ロールや開発(develop)、探索(explore)、コンテンツ保存(save_content)権限を持ってないユーザー数
- 探索(explore)またはコンテンツ保存(save_content)の権限を有するが、管理者ロールまたは開発(develop)権限を持っていない埋め込みユーザー数
- データ参照(access_data)権限を持っているが、管理者ロールや開発(develop)、探索(explore)、コンテンツ保存(save_content)権限を持ってない埋め込みユーザー数
- 過去7日間にクエリを発行したユーザーの割合
- 過去6週間、毎週クエリを発行していたユーザー数
- 過去6週間の毎週のユーザー1人あたりの平均アクティビティ時間(分)と平均クエリ数
- 過去7日間に各クエリソースからクエリを発行したユーザー数
- 過去7日間で最も多くのアクティビティが行われた分数と最大のクエリ数を持つユーザーの一覧
- 過去7日間で最も新しいダッシュボードとダッシュボード要素が多かったユーザーの一覧
- 直近Gitイベントを行ったユーザーの一覧
- 過去90日間、Lookerにログインしていないユーザーの一覧
- Lookerの教育及びトレーニングリソースへのリンクを有するテキストタイル
コンテンツの活用状況(Content Activity)
このダッシュボードでは、Lookerインスタンスでどのダッシュボード、Look、Exploreが表示され、スケジューリングされているかの情報が表示されます。以下の要素を確認可能です。
- 削除されていないダッシュボードの数
- 削除されていないLookの数
- 予定されているスケジュールの数
- 過去30日間に照会されたダッシュボードの割合
- 過去30日間に照会されたLookの割合
- 過去7日間のそれぞれの日における予定されたジョブ数
- 過去30日間に照会されたExploreクエリの数
- 過去30日間にアクセスされた全てのダッシュボードとLookの一覧/以下要素を含む
- Looker UIでの閲覧回数
- 埋め込みでの閲覧回数
- API経由での閲覧回数
- お気に入り化された回数
- スケジュールされたジョブ経由での配信回数
- 過去30日間に作成されたExploreの一覧/以下要素を含む
- Exploreが実行された回数
- Exploreを実行しているユーザーの数
- 過去30日間にアクセスされていないダッシュボードとLookの一覧/以下要素を含む
- 過去90日間のLooker UI
- 埋め込み、API経由でのコンテンツの閲覧回数
- 過去90日間のお気に入り化された回数
- スケジュールされたジョブ経由で配信された回数
- 過去90日間に作成されたExploreのうち、過去30日間に問い合わせが行われていないExploreの一覧/以下要素を含む
- Exploreが最後に実行されてからの期間
- 過去90日間に実行された回数
- Exploreが最後に実行された日付
- およびExploreが最初に実行された日付
データベースのパフォーマンス(Database Performance)
このダッシュボードでは、Lookerインスタンス上のコンテンツとPDT(永続派生テーブル)のパフォーマンスに関する情報が表示されます。以下の要素を確認可能です。
- キャッシュから返されたクエリの割合
- 過去30日間に実行された全てのクエリに関する情報
- クエリソース別にグループ化
- クエリの実行時間を階層別に集計
- 各階層の実行時間を全クエリに対する割合で表示
- 過去7日間に実行されたクエリの数(上位15ユーザー)
- 過去7日間に実行されたクエリの数(上位10データソース)
- 1日における、各時間帯の以下の情報
- 実行されたクエリ数
- アクティブユーザー数
- Lookerキャッシュから返されたクエリの割合
- 1日における、各時間帯のジョブ数と予定スケジュール数
- 1日における、各時間帯の各接続のPDTビルド数
- 過去7日間の各Exploreの平均実行時間(実行時間の長い順に並べ替え)
- 過去7日間の各Lookの平均実行時間(実行時間の長い順に並べ替え)
- 過去7日間の各ダッシュボードの平均実行時間(実行時間の長い順に並べ替え)
- 過去7日間にビルドされた各PDT(永続派生テーブル)の一覧/以下要素を含む
- トリガ失敗数
- 作成失敗数
- ビルド成功数
- 過去7日間の各PDTの平均ビルド時間一覧(平均ビルド時間の長い順に並べ替え)
Lookerインスタンスのパフォーマンス(Instance Performance)
このダッシュボードでは、スケジューラの負荷とパフォーマンス、及びパフォーマンスを重視したコンテンツに関する情報が表示されます。以下の要素を確認可能です。
- ヒートマップ情報:スケジューラに最も大きな影響を与える時間帯や曜日を表示
- スケジュールされたジョブ数
- 週の各曜日・各時間帯のキュー内の平均時間
- 「クエリ数とクエリの平均実行時間」が「全日の標準偏差の1.5倍を超えた」日のクエリ数とクエリの平均実行時間を表示(どの日がスケジューラに非常に大きな影響を与えているかが分かる)
- 各Exploreでスケジュールされたジョブ数
- 「ダッシュボード上のテキスト以外のタイルので自動更新が有効になっている」全ダッシュボードのリスト
- 過去14日間で最も多く予定されていたコンテンツ(各日にスケジュールされていた回数を合わせて表示)
- 「All Results」オプションを使用してダウンロードまたはスケジュールされたクエリの一覧
- 25個以上のタイルを持つダッシュボードのリスト/以下要素を含む
- 各ダッシュボードのルックタイル
- ルックレスタイル
- マージクエリタイル
- 合計タイル
- 生成されたクエリの合計
- および合計クエリタイルの数
- ヘルプセンターの記事やLookerの最適化に関するドキュメントへのリンクを持つテキストタイル
手元の画面だとちょっと内容寂しかったので、Lookerのドキュメントからスクリーンショットを拝借...
発生したLookerのエラーと破損状況(Errors and Broken Content)
このダッシュボードでは、エラーを生成しているダッシュボード、Look、スケジュール、PDT(永続派生テーブル)、および各クエリ・ソースのエラー数が表示されます。以下の要素を確認可能です。
- エラーを生成しているダッシュボードの一覧/以下要素を含む
- 関連するエラー
- 各ダッシュボード・クエリの発行者
- 各ダッシュボードを使用してクエリを実行したユーザ数
- エラーを生成しているスケジュールされたジョブの一覧/以下要素を含む
- 関連するエラー
- 各スケジュールの作成者
- エラーを発生しているLookの一覧/以下要素を含む
- 関連するエラーと
- Lookクエリの発行者
- エラーログエントリを作成したPDTアクションに関する情報/以下要素を含む
- PDTアクションに関連するデータ
- PDTが「キャンセルされたエラーを作成する」アクションを作成した回数
- PDTが「トリガ値エラー」を作成した回数を含む、エラーを生成したPDTのリスト
- 過去10日間の各クエリソースからのエラー数
まとめ
という訳で、Looker 7の「システムアクティビティダッシュボードの機能強化」に関する紹介でした。
実に様々な情報をダッシュボードで確認可能な形となりました。最後5つめの「発生したLookerのエラーと破損状況(Errors and Broken Content)」については、ここからコンテンツの不具合改修へと進める切っ掛けにもなるのでありがたい情報なのでは、と思います。適宜ここにある情報は確認しながら、分析・可視化共有アクションを進めて行きたいところですね。